有限会社妙義産業(群馬県富岡市)

FOR FARMERS

基本情報

栽培形態 菌床栽培
年間製造数 舞茸:約65万菌床
しいたけ:約18万菌床
あらげきくらげ:約2千菌床
従業員数 36名(パート・実習生含む)
使用品種 舞茸:森51号
しいたけ:森XR1号、もりの富富
あらげきくらげ:森89号
栽培開始年 昭和43年(1968年)

INTERVIEW

きのこ栽培を始めたきっかけは?Q1

本格的にきのこ事業を始めたのは私の父の代からになります。祖父の代からここ妙義山の麓で様々な農業を複合的に営んでおりましたが、昭和43年の創業時に原木しいたけ栽培に一本化し、その後徐々に菌床しいたけの割合も増やしていきました。

しかし当時の菌床しいたけ栽培では秋冬に雇用が偏ってしまうため、「通年で雇用を安定確保できる方法は無いか?」と森産業に相談したところ、当時まだ珍しかった舞茸の菌床栽培(周年)の薦めを受けました。舞茸の相場が上り調子だったこともあり、そのタイミングで思い切って菌床舞茸事業への参入を決めました。

いざ開始すると舞茸特有の栽培の難しさに悩まされ、雑菌被害による発生不良が続きました。頭を抱えるなか、森産業での研修指導で「逆算して要因を特定した方が良い」というアドバイスを頂きました。そのおかげもあり要因を特定でき、生産は無事改善されました。今では技術力も上がって収量も安定しています。  その後、2011年の東日本大震災の原発事故による原木しいたけの風評被害をきっかけに全量を菌床栽培に切り替え、現在に至っています。

舞茸ならではの特徴や魅力はありますか?Q2

舞茸はしいたけと違って培養日数が約50日と短く、回転が速いのが特徴です。しいたけよりも栽培の難易度は高いですが、栽培が上手くいって大きく成長してくれた時の喜びは格段で、そこも大きな魅力となっています。

また、舞茸としいたけを組み合わせて生産するメリットとして、その時の相場を見ながら生産を切り替えられる点があります。販売面でも舞茸をきっかけに話を頂き、しいたけとのセットで売り方の幅も広がっています。

貴社の栽培の特徴や取り組みについて教えてください。Q3

当社では菌床の元となるおが粉の原料に、原木しいたけの廃ホダを使用しています。昔からお付き合いのある近隣の原木生産者の方々から、使わなくなった廃ホダを融通して頂き、それを自社で粉砕しておが粉に活用しています。逆に、収穫し終えた廃菌床は分離機でおがに戻して農家の方々へ肥料として提供し、資源の有効利用に取り組んでいます。

また収穫工程においては、袋の破片が舞茸に付着してしまうのを防ぐため、カッターでの収穫から手もぎでの収穫へ切り替えました。これにより袋破片の混入リスクを大幅に解消することが出来ています。

販売面では、夏場の非需要期に森産業食品部へ加工食品用原料として、舞茸の一部を供給する取り組みを行っております。食品業界特有の衛生基準など一つ一つ教えて頂きながら徐々に販路を拡大しており、お互いWin-Winの関係を築くことが出来ています。

森産業を選んだ理由は何ですか?Q4

やはり品種の強さです。
舞茸に関して、森51号に優る品種は無いと考えています。しいたけについても、森XR1号の培養90日という短期培養かつ周年栽培できる点はかなり重宝しています。また、もりの富富は原木しいたけに劣らない味の良さが定評です。

森産業とは、祖父の原木しいたけ時代から3世代にわたるお付き合いになります。今では種菌の購入のみならず、食品部への舞茸の販売という新たな取引も出来ています。  自分の生産した舞茸が市場流通にとどまらず、商品化されて食品業界にまで届けられているというのは、生産者として「嬉しい」の一言に尽きる思いです。

今後の展望をお聞かせください。Q5

今後チャレンジしたいのは、舞茸の1菌床あたりのさらなる収量の増加です。培養の初期・中期・後期それぞれの温度調整で試行錯誤を繰り返しながら、収量が最大となる最適な培養環境を探っていきたいと考えています。

また、かつて私が経験した様な失敗を次世代にさせてはいけないという強い想いで、現場の環境整備に日々取り組んでいます。  さらに、新たな機械の導入による作業の省力化なども積極的に取り組み、より安定した経営を目指していきたいと考えています。

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