清原米蔵さん(大分県国東市)

FOR FARMERS

清原米蔵さん(左)、奥様の清原久子さん(右)

基本情報

栽培形態 原木栽培
年間接種本数 3~4万本
乾しいたけ
年間生産量
7~8トン
(2014年は9.3トンで個人日本一)
従業員数 6名(多忙期は12名に増員)
使用品種 しいたけ:ゆう次郎、もりの春太、もりの金太郎
栽培開始年 昭和40年(1965年)

INTERVIEW

きのこ栽培を始めたきっかけは?Q1

高校の卒業と同時に、父から原木しいたけ栽培の跡を継ぎました。当時、国東では温州みかんの栽培が奨励されてたため、父からどちらをやるか問われましたが、私は山が好きだったこともあり、原木しいたけ栽培を選びました。

今日まで半世紀以上、原木しいたけ栽培一筋で続けてきましたが、この仕事は自分の性に合っていると思います。全てが面白く、楽しい。本当に続けてきてよかったです。

原木しいたけの特徴や魅力はありますか?Q2

日本食によく合う食材だと思います。なによりも味そのものがとにかく美味しい。さらに、その豊富な栄養・効能により食べる人を健康に導いてくれる原木しいたけは、さながら「健康へのパスポート」です。

食材としての魅力はもちろんですが、原木しいたけを栽培することは、里山の良好な環境や景観保全にも繋がっています。栽培に用いるクヌギの伐採・再生を繰り返すことで、森林の新陳代謝を促進するとともに、森の保水性が維持され、ため池とともに貴重な給水源として貴重な生態系を育んでいるのです。このクヌギ林とため池が連携した国東半島・宇佐地域の農林水産業システムは、2013年に「世界農業遺産」に認定されています。

栽培の特徴や取り組みについて教えてください。Q3

栽培については、施設や設備の導入を極力おこなわず、自然に近い環境を作り出すことにこだわっています。自然の中で手間ひまをかけて作り上げた上質なしいたけは、まさに「山からの贈り物」です。

昨今、業界では生産者の高齢化や後継者不足など課題が山積していますが、この魅力ある原木しいたけ栽培を後世に受け継ぐため、視察・研修の受け入れや栽培技術指導支援等の取り組みを率先して行っています。また、大分県椎茸農業協同組合の監事や国東市林研連絡協議会の会長など、各団体の役職在任時は生産振興活動に努めてきたほか、メディア取材の要請があれば積極的に受け入れ、原木しいたけの魅力を出来る限り発信してきました。

念願であった「森喜作賞」の受賞をはじめ、様々な賞をいただきましたが、これらの活動が認められ、少しでも業界のお役に立てているのであれば万感の思いです。

森産業の品種を選んだ理由は何ですか?Q4

現在使用している「ゆう次郎」「もりの春太」を筆頭に、森産業の品種は自分のホダ場の環境に適しています。長年にわたり使用しているゆう次郎は、きのこの形がよく発生量が多いのが特長で、国東でも多くの方が使用しています。国東の環境にも適している品種だと思います。

もりの春太は自分好みの品種で、大きいきのこが発生するので採取がしやすく、作業効率向上の一翼を担ってくれます。ゆう次郎と同様、きのこの形がよく、発生量も豊富です。また、新品種の「もりの金太郎」も新たに導入したので、こちらにも大きな期待を寄せています。

今後の展望をお聞かせください。Q5

この仕事に理解を示し、協力してくれた妻をはじめ、様々な方面からお力をいただき、これまで栽培を続けることが出来ました。今後、原木しいたけ生産者の減少によりクヌギが利用されなくなり、里山の素晴らしい風景が見られなくなってしまうのは本当に悲しいことです。栽培技術の伝承や後継者の育成に励みながら、これからも体が続く限り栽培を続け、国東の地の景観を守っていきたいと考えています。

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